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嘆願書は風と桶屋の関係を生むか

                 
おつかれさまです。ふぇでらです。


しばらく前から話題になっています、『ATPに関する意思決定およびATPツアーとカレンダー改革について、自分たちの参加を求めるATP選手たちによる要請を支持します』という趣旨の嘆願書署名の件。


詳しくは、下記の各ブログさんの当該記事をどうぞ。
Masters of the Game
 『ATPへの嘆願書に署名お願いします。』(2008年05月07日)

テニあれ
 『ATPへの嘆願書に署名お願いします。』(2008年05月08日)

SMASHING HOURS
 『ATPへの嘆願書に署名お願いします。』(2008年05月08日)

新・…Just One More Thing
 『眠れぬ夜は君のせい』(2008年05月09日)

RAFAEL NADAL+
 『ローマは1日にして終わる 』(2008年05月09日)

タケゾウ日記
 『単純にいいプレーがたくさん観たいのです』(2008年05月09日)





■ファシリテーターが必要
これは、ATP役員における思惑(収益拡大、ファン層拡大)、選手における思惑(トップ選手は安定を望み、下層選手は下克上を望む)、ファンにおける思惑(特定選手ファンの意見とATPツアーファンの意見は当然違う)、大会関係者(あるいはスポンサー)における思惑、それぞれ違う価値観や環境下のいろいろさまざまな思惑が絡んできますし、最善の方策を策定するとなると、なかなか難しい問題でしょうね。


この問題につきましては、一般論になってはしまいますが、優秀なファシリテーター同席の下、公平かつ平等に召集された各関係代表者の話し合いを行い、合意の下で折衷案を採択するのが最善だと思います。それとも、それができないからゆえの今の状況なのでしょうか?


嘆願書につきまして個人的な見解を述べますと、総論では賛成ですが各論では保留と考えています。具体的には、“ATPに関する意思決定について自分たちの参加を求めるATP選手たちによる要請を支持”する部分の嘆願書には署名したいのですが、“ATPツアーとカレンダー改革について、自分たちの参加を求めるATP選手たちによる要請を支持”する部分の嘆願書には署名保留といったところです。両者は、同じようですが本質的には別ベクトルの問題のような気がします。それを同列に並べてしまうと、逆に話がややこしくなるような気が……f(^^;)。まずは、前者の嘆願のみをATPに認識させるのが先決かと……。あるいは後者のみでもいいですが。


ただし、個人的弁明としまして、オフシーズンが短いことも大会間の日程間隔やバランスや地域偏向は、私も確かに不満に感じています。単純に「選手が大変だろうな」とか「怪我の発生確率が高まるのではないだろうか」など、いち素人ファン視点で……。





■で、ATPツアーとカレンダー改革ですが
今回の件で私が思ったのは、例えるならば以下のような感じのことです。このテの話を思い浮かべてしまいました。少し論旨とズレているかもしれませんが、おおよそのニュアンスとしてf(^^;)。
分裂勘違い君劇場
 『無学歴、無職歴、無実力のニートが年収500万円の正社員になる方法』

分裂勘違い君劇場
 『社員全員がホワイトカラーエグゼンプションの会社で働いてたことがあります』



ランキング上位の選手は現状のツアー日程に不満を持っているでしょう。出る大会は常にベストパフォーマンスで出たいでしょうし、大会に迷惑をかけたくもないでしょうし、ファンの期待も裏切りたくないでしょうし、ATPからペナルティも与えられたくないでしょう。


しかし、ランキング下位の選手は、トップランカーが疲労しているというチャンスをものにし、ポイントをゲットしてメジャーにのし上がりたいと思っている筈(推測です)。その場合、ツアー日程がある程度タイトなほうが、上昇していく分には都合が良いと思います。活躍すればするほど試合に出れば出るほど(つまり上位ランカーになればなるほど)、疲労し体調を崩したり故障の確率も高まるからです。


個人的には、オフシーズンを増やしたりツアー日程をもっとルーズにするなどの改革をするならば、現行のポイントシステムを改革しなければならないのではという気が……。ポイント制をどうしても踏襲するならば、もっと精緻かつ動的なポイントシステムを構築するなど(例えば同じ優勝でも、実績、調子、出場選手構成、得意サーフェスか否か、年齢、今季出場試合数、累計出場試合数、対戦相手などなどで、獲得ポイントが選手(時期)によって違うなど)。





■個人競技としての限界?
この手の問題は、テニスが団体競技ではなく個人競技であることが遠因となって発生している気もします。


オフシーズンを増やしたりツアー日程をもっとルーズにするなどの改革を行うにあたって、試合数の減少や、それに伴う観戦料および放映料の高騰(ATPの規模を維持する場合)の可能性もあり、しわ寄せはファンに来ると思います(多分)。選手はいわば個人事業主でもあるので、獲得賞金が低下(年収ダウンもしくは市場規模の縮小)することを望まないでしょうし。


さらに問題を複雑にしているのは、ランキング1位になりたいという選手の上昇志向(目標)とプライドというファクターです(スポーツにはもっとも重要な要素です)。1位になるためには現在1位の選手より多くポイントを獲得しなければいけないという状況は、結局、ワークシェアリングならぬポイントシェアリングなどある種の談合がおきないかぎり、ツアーレベルが向上すればするほど幾何級数的にタイトスケジュールにならざるを得ないのではとも思います(社会主義と資本主義のジレンマに似ています)。


そして、(全体ではないにせよ)ファンはテニスではなく、特定のお気に入りの選手のプレーを観に来るという現実(つまり、お金も人気選手についてくる)。あるいは、現在の状況がスタープレイヤーを次々と輩出し世代交代を速めて(プレーの質がどんどん高度化して)、逆にツアーを面白く刺激的にしているという事実。それらも、忘れてはならないと思います。





■結局、私には分かりません
正直、テニスが個人競技である以上、この問題に正解はないと思います。あるいは、すべてが正解だと思います。ファン、選手、ATP、スポンサーの、全員にとってWin-Winとなる選択肢が構築され採用されることを祈っています。


そうです。結局、私には有効な方策は提示できず、具体的なアクションも起こせませんf(^^;)。ヘタレですみません。このテの問題は、もっとツアーに詳しい玄人ファンの方にお任せいたします。私にできることは、私の現時点での浅薄で偏向した知識を使い、この問題で記事を書くことぐらいです。


ただ、行動しないよりは、行動したほうが良いことが多いです。ATPの上層部もそう思って改革してきたはず。ならば、その改革を改革しても、別に問題はないでしょう。


また、選手の痛みを、ファンが肩代わりし、そのファンが肩代わりした痛みを、ATPやスポンサーが肩代わりし、それをまた選手が自分とファンのために肩代わりする……、そのサイクルが上手く回れば、みんなが最大公約数的に幸せになれるのではないでしょうか。そのことを最後に述べて、終わりの言葉にしようと思います。



ATPtour/選手 | 著者 ふぇでら 01:48 | 意見(0) | TB(0)
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