2008年08月21日
1位の創始と終焉、素人予測
おつかれさまです。ふぇでらです。超長文です。分割して毎日更新しろよっとも思いますが、お許しください。
ついにナダルが、初めて2位になった2005年から狙い続けてきた1位の座に、つきました(フェデラーに先駆けて、オリンピックでのシングルス金メダルも取得)。3年(正味4年?)がかりの、遠大なプロジェクトとなりました。
私はフェデラー信者ではありませんが、フェデラーファンです(初期の頃の遅延行為は別として、ナダルも嫌いではありません)。が、客観的に見てフェデラーはピークを過ぎつつあると考えています(単核症の影響がそのタイミングを加速させた)。もうオリンピックのシングルス金メダルも難しいでしょう(オリンピックが2年ずれていればよかったのですが……)。最近、マスターズカップ決勝戦2005をまたビデオ観戦しているのですが、当時のフェデラーと今のフェデラー(全英時点)とで比べてみますと、衰えを明確に感じます(プレースタイルや戦術を変えようと試みている最中だと思いますので、一概に言えませんが)。
ナダルにつきましては、オリンピックシングルス金メダル、ローランギャロス、ウィンブルドンを、現22歳時点で取得。生涯グランドスラムどころか生涯ゴールデンスラムもすでに射程圏内。
以下にて、ナダルとフェデラーを比較し、さらにその先を予想してみます。
■ロジャーとラファのキャリア比較
キャリア的には、客観的に見て現時点ではナダルが上回っていると思います。以下に、主要な比較点を列記します(年齢は全て数え年当年表記)。
・フェデラーは1981年生まれの現27歳
・ナダルは1986年生まれの現22歳
・フェデラーはチャレンジャーレベルで16勝7敗
・ナダルはフューチャーレベルで37勝4敗
チャレンジャーレベルで34勝10敗
・フェデラーは17歳でプロ転向
・ナダルは15歳でプロ転向
・フェデラーの初ツアー優勝は20歳
・ナダルの初ツアー優勝は18歳
・フェデラーが2位になったのは22歳
1位になったのは23歳時
・ナダルが2位になったのは19歳
以降ずっと2位キープで1位になったのは22歳
・フェデラーの初GS優勝は22歳(全英)
・ナダルの初GS優勝は19歳(全仏)
・フェデラーのGS優勝回数は12回
初GS制覇から今年までで年2.4回のペース
・ナダルのGS優勝回数は5回(フェデラーは同時点で1回)
初GS制覇から今年までで年1.25回のペース
・フェデラーのシングルス総獲得タイトル数は55個
・ナダルのシングルス総獲得タイトル数は31個
(フェデラーは同時点で11個)
・フェデラーの勝敗総数は598勝146敗、勝率80%
・ナダルの勝敗総数は323勝74敗、勝率81%
そのときどきのATPツアーのレベルの違いなどもあってひとくくりには言えませんが、個人的な判断基準で言いますと、ナダルのほうがフェデラーを上回る可能性があるかと。今後の展開は分かりませんが、22歳時点では越えています。少なくともフェデラーがいなければ、ナダルはとっくに1位になっていてもおかしくなかったと言えるでしょう(しかしナダルがいなければ、フェデラーはとっくに生涯グランドスラム達成&サンプラスのGS14冠を抜いていたでしょうね)。
■今後のATPツアー1位争いの動向
サンプラス(1971年生、762勝222敗、勝率77.4%、GS14冠、獲得シングルスタイトル64個、19歳で初GS優勝(全米))は、22歳の1993年から1位になり、1998年の27歳のときに一度2位陥落、翌1999年(28歳時)より1位~3位争いをするランキングとなっています。その後、2000年(29歳)までは5位~1位を変動。
正直、個人的にはアガシの道を行ってほしかったフェデラーですが、客観的に見るとサンプラスの道に進んで行きつつあるようです。また、これは推測ですが、ナダルもフェデラークラスのプレイヤーのはずで、怪我さえなければ1位を3~4年は維持できる可能性があると思っています。クレーコートシーズンで驚異的な勝率なのも追い風になるでしょう。ただし、2位の期間が比較的長かった点が気がかりです(そのぶん、案外早く息切れする……かも?)。
ほか、これは個人的な独断と偏見ですが、フェデラーは褒めて伸びるタイプで物事がうまくいけばいくほどどんどんプラスの方向に成長でき、そして1位になったらとことん1位になるタイプで、逆にうまくいかなければ拘泥してネガティブスパイラルにハマる性格のような気がします。対するナダルは、厳しくされて伸びるタイプで、ポジティブでもネガティブでも安定して結果を出すことができますが(逆境に強い)、トップになったら強い責任感からくる過度のプレッシャーを背負い込み、挑戦ではなく維持に重点を置く環境下に迷いも感じる性格なのではないかと。そのあたりのコントラストがどうでるかも気になります。つまり逆説的に、ナダルのランキング1位在位期間は、フェデラー(あるいはジョコビッチ)の圧力次第とも言えるかもしれません(^_^;)。
フェデラーに話を戻しますと、サンプラスは2002年(31歳)のときに最後のGS制覇(全米)を成し遂げていますので、フェデラーも31歳(あと4年半ほど)までにはいくつかGSを制覇することが可能だと考えています。くわえて、サンプラス同様にあと2~3年は1位争いに加われると思います。つまり、サンプラスのGS14冠を抜く可能性は十分あると思います。ただ、5歳年下で3年以上2位を維持し対戦成績で6勝12敗と負け越しているナダルの存在が、やはり不気味です。
■ナダルの次の、ATPツアー長期1位は
さて、今後のATP1位(長期維持者)を素人予想してみようと思います。独断と偏見です。
まず1987年生のジョコビッチ、マレー。1986年生のガスケ。この3人が1位争いに加わってくるのは間違いないでしょうし、一瞬なら1位になることもあるでしょう。が、サンプラスやフェデラーやナダル(予定。フィジカルに問題が無ければ)のような長期君臨はまず無いと考えています。
理由は年齢です。3年の2位期間を経て1位になった1986年生のナダルがいるかぎり、実力的に見ても現行選手の中で1位に長期君臨する可能性が最も高いのはナダルです。そのナダルがいる以上、同世代プレイヤー達にとって1位争いは、著しく苦しい戦いとなるのではないでしょうか。もしかしたら、ナダルに何らかのフィジカル的問題が発生しない限り、一度も1位になれないかもしれません。
そして1988年生のデルポトロ、チリッチ、ガルビス。期待できるでしょう。ですが、上記と同じ年齢的な理由で、前述の選手よりは1位になれる可能性が高いとは思いつつも、やはり若干厳しいと思います。ナダルのフィジカル次第ですが。ただし、短期間の1位にはなると思います。また、大物の片鱗を見せ始めているデルポトロが大化けすれば別です。
1989年生の錦織、ヤング。順調に成長していけば、1位の可能性は大いにあると思います。が、やはり上記と同じ年齢による理由で、かなり可能性は高いとは考えるものの、依然として微妙に厳しい面はあるのではないでしょうか。1986年生のナダルに対して3年のアドバンテージがあることは非常に有利ですが、ナダルがフェデラーやサンプラスクラスのプレイヤーと仮定した場合、3年でも厳しいような気がしないでもないこともないような(^_^;)。3年後以降となると、1位になれても今度は錦織やヤングの残りピーク持続期間が心配ですし、次の世代の突き上げに対抗できるかどうかも気になります。
■注目は1990年生以降のプレイヤー!
で、注目しているのは、以下のプレイヤーです。私には選手の才能を見極める目は無いので、ITFのトップランカーで適当に目に留まったプレイヤーです。
・1990年生の、Jonathan Eysseric(ジョナサン・アイセリック)
・1990年生の、Ricardas Berankis
・1991年生の、Tsung-Hua Yang
・1992年生の、Bernard Tomic(バーナード・トミック)
【追記:10月24日】
・1991年生まれの、Grigor Dimitrov
誰がいつどう化けるか(逆もまた然り)わかりませんので、なんともいえませんが、1990年生以降のプレイヤーに今後目をつけるのがよいような気がします。
理由は単純で、ナダルらが1位在位3~4年後のピークが落ちたときに、22~3歳となりピークを迎えるプレイヤーは1990年生ですので。無論、錦織やヤング、デルポトロやチリッチやガルビスにも可能性はあると思います(^_^;)。ただし、デルポトロが、サンプラスやフェデラーやナダルクラスの化け物プレイヤーとなった場合は、その限りではありませんが。
1990年以降世代のプレイヤーは、フェデラーに加えナダルのプレースタイルの影響も色濃く受けているはず。主にフェデラーの影響を受けてきた現行世代のプレイヤーとの、プレースタイルのぶつかり合いが今から楽しみです。
ついにナダルが、初めて2位になった2005年から狙い続けてきた1位の座に、つきました(フェデラーに先駆けて、オリンピックでのシングルス金メダルも取得)。3年(正味4年?)がかりの、遠大なプロジェクトとなりました。
私はフェデラー信者ではありませんが、フェデラーファンです(初期の頃の遅延行為は別として、ナダルも嫌いではありません)。が、客観的に見てフェデラーはピークを過ぎつつあると考えています(単核症の影響がそのタイミングを加速させた)。もうオリンピックのシングルス金メダルも難しいでしょう(オリンピックが2年ずれていればよかったのですが……)。最近、マスターズカップ決勝戦2005をまたビデオ観戦しているのですが、当時のフェデラーと今のフェデラー(全英時点)とで比べてみますと、衰えを明確に感じます(プレースタイルや戦術を変えようと試みている最中だと思いますので、一概に言えませんが)。
ナダルにつきましては、オリンピックシングルス金メダル、ローランギャロス、ウィンブルドンを、現22歳時点で取得。生涯グランドスラムどころか生涯ゴールデンスラムもすでに射程圏内。
以下にて、ナダルとフェデラーを比較し、さらにその先を予想してみます。
■ロジャーとラファのキャリア比較
キャリア的には、客観的に見て現時点ではナダルが上回っていると思います。以下に、主要な比較点を列記します(年齢は全て数え年当年表記)。
・フェデラーは1981年生まれの現27歳
・ナダルは1986年生まれの現22歳
・フェデラーはチャレンジャーレベルで16勝7敗
・ナダルはフューチャーレベルで37勝4敗
チャレンジャーレベルで34勝10敗
・フェデラーは17歳でプロ転向
・ナダルは15歳でプロ転向
・フェデラーの初ツアー優勝は20歳
・ナダルの初ツアー優勝は18歳
・フェデラーが2位になったのは22歳
1位になったのは23歳時
・ナダルが2位になったのは19歳
以降ずっと2位キープで1位になったのは22歳
・フェデラーの初GS優勝は22歳(全英)
・ナダルの初GS優勝は19歳(全仏)
・フェデラーのGS優勝回数は12回
初GS制覇から今年までで年2.4回のペース
・ナダルのGS優勝回数は5回(フェデラーは同時点で1回)
初GS制覇から今年までで年1.25回のペース
・フェデラーのシングルス総獲得タイトル数は55個
・ナダルのシングルス総獲得タイトル数は31個
(フェデラーは同時点で11個)
・フェデラーの勝敗総数は598勝146敗、勝率80%
・ナダルの勝敗総数は323勝74敗、勝率81%
そのときどきのATPツアーのレベルの違いなどもあってひとくくりには言えませんが、個人的な判断基準で言いますと、ナダルのほうがフェデラーを上回る可能性があるかと。今後の展開は分かりませんが、22歳時点では越えています。少なくともフェデラーがいなければ、ナダルはとっくに1位になっていてもおかしくなかったと言えるでしょう(しかしナダルがいなければ、フェデラーはとっくに生涯グランドスラム達成&サンプラスのGS14冠を抜いていたでしょうね)。
■今後のATPツアー1位争いの動向
サンプラス(1971年生、762勝222敗、勝率77.4%、GS14冠、獲得シングルスタイトル64個、19歳で初GS優勝(全米))は、22歳の1993年から1位になり、1998年の27歳のときに一度2位陥落、翌1999年(28歳時)より1位~3位争いをするランキングとなっています。その後、2000年(29歳)までは5位~1位を変動。
正直、個人的にはアガシの道を行ってほしかったフェデラーですが、客観的に見るとサンプラスの道に進んで行きつつあるようです。また、これは推測ですが、ナダルもフェデラークラスのプレイヤーのはずで、怪我さえなければ1位を3~4年は維持できる可能性があると思っています。クレーコートシーズンで驚異的な勝率なのも追い風になるでしょう。ただし、2位の期間が比較的長かった点が気がかりです(そのぶん、案外早く息切れする……かも?)。
ほか、これは個人的な独断と偏見ですが、フェデラーは褒めて伸びるタイプで物事がうまくいけばいくほどどんどんプラスの方向に成長でき、そして1位になったらとことん1位になるタイプで、逆にうまくいかなければ拘泥してネガティブスパイラルにハマる性格のような気がします。対するナダルは、厳しくされて伸びるタイプで、ポジティブでもネガティブでも安定して結果を出すことができますが(逆境に強い)、トップになったら強い責任感からくる過度のプレッシャーを背負い込み、挑戦ではなく維持に重点を置く環境下に迷いも感じる性格なのではないかと。そのあたりのコントラストがどうでるかも気になります。つまり逆説的に、ナダルのランキング1位在位期間は、フェデラー(あるいはジョコビッチ)の圧力次第とも言えるかもしれません(^_^;)。
フェデラーに話を戻しますと、サンプラスは2002年(31歳)のときに最後のGS制覇(全米)を成し遂げていますので、フェデラーも31歳(あと4年半ほど)までにはいくつかGSを制覇することが可能だと考えています。くわえて、サンプラス同様にあと2~3年は1位争いに加われると思います。つまり、サンプラスのGS14冠を抜く可能性は十分あると思います。ただ、5歳年下で3年以上2位を維持し対戦成績で6勝12敗と負け越しているナダルの存在が、やはり不気味です。
■ナダルの次の、ATPツアー長期1位は
さて、今後のATP1位(長期維持者)を素人予想してみようと思います。独断と偏見です。
まず1987年生のジョコビッチ、マレー。1986年生のガスケ。この3人が1位争いに加わってくるのは間違いないでしょうし、一瞬なら1位になることもあるでしょう。が、サンプラスやフェデラーやナダル(予定。フィジカルに問題が無ければ)のような長期君臨はまず無いと考えています。
理由は年齢です。3年の2位期間を経て1位になった1986年生のナダルがいるかぎり、実力的に見ても現行選手の中で1位に長期君臨する可能性が最も高いのはナダルです。そのナダルがいる以上、同世代プレイヤー達にとって1位争いは、著しく苦しい戦いとなるのではないでしょうか。もしかしたら、ナダルに何らかのフィジカル的問題が発生しない限り、一度も1位になれないかもしれません。
そして1988年生のデルポトロ、チリッチ、ガルビス。期待できるでしょう。ですが、上記と同じ年齢的な理由で、前述の選手よりは1位になれる可能性が高いとは思いつつも、やはり若干厳しいと思います。ナダルのフィジカル次第ですが。ただし、短期間の1位にはなると思います。また、大物の片鱗を見せ始めているデルポトロが大化けすれば別です。
1989年生の錦織、ヤング。順調に成長していけば、1位の可能性は大いにあると思います。が、やはり上記と同じ年齢による理由で、かなり可能性は高いとは考えるものの、依然として微妙に厳しい面はあるのではないでしょうか。1986年生のナダルに対して3年のアドバンテージがあることは非常に有利ですが、ナダルがフェデラーやサンプラスクラスのプレイヤーと仮定した場合、3年でも厳しいような気がしないでもないこともないような(^_^;)。3年後以降となると、1位になれても今度は錦織やヤングの残りピーク持続期間が心配ですし、次の世代の突き上げに対抗できるかどうかも気になります。
■注目は1990年生以降のプレイヤー!
で、注目しているのは、以下のプレイヤーです。私には選手の才能を見極める目は無いので、ITFのトップランカーで適当に目に留まったプレイヤーです。
・1990年生の、Jonathan Eysseric(ジョナサン・アイセリック)
・1990年生の、Ricardas Berankis
・1991年生の、Tsung-Hua Yang
・1992年生の、Bernard Tomic(バーナード・トミック)
【追記:10月24日】
・1991年生まれの、Grigor Dimitrov
誰がいつどう化けるか(逆もまた然り)わかりませんので、なんともいえませんが、1990年生以降のプレイヤーに今後目をつけるのがよいような気がします。
理由は単純で、ナダルらが1位在位3~4年後のピークが落ちたときに、22~3歳となりピークを迎えるプレイヤーは1990年生ですので。無論、錦織やヤング、デルポトロやチリッチやガルビスにも可能性はあると思います(^_^;)。ただし、デルポトロが、サンプラスやフェデラーやナダルクラスの化け物プレイヤーとなった場合は、その限りではありませんが。
1990年以降世代のプレイヤーは、フェデラーに加えナダルのプレースタイルの影響も色濃く受けているはず。主にフェデラーの影響を受けてきた現行世代のプレイヤーとの、プレースタイルのぶつかり合いが今から楽しみです。
いやーーーーなかなか見事な見解。
僕はナダルがいたからフェデラーがここまで強くなり、フェデラーがいたから、ナダルがこれほどの成長を遂げたと思っています。強烈なライバル関係がお互いを刺激し更なる高みに。
今後が楽しみだし、来年のウィンブルドンはフェデラーの巻き返しを期待しております。
もちろんハイレベルなグランドスラムになること間違いないとも確信していますね。楽しみです。
個人的に、テニス365ブログの職業コーチ以外の人のなかでかなり強い部類に入ると思っている人からコメントを頂き、ありがとうございます。しかも、最近筋トレに目覚めていらっしゃいますしf(^^;)。ますます強くなられる予感f(^^;)。
フェデラー1位陥落、ナダル1位奪取をただ表層的にとらえたニュースばかりで、今後数年のことに関して大きな流れを記述しているブログさんが皆無だったので、ちょっと素人的に書いてみましたf(^^;)。
二人のライバル関係が、相互の(ひいてはATPツアー全体)レベルを引き上げたということについては、まったく同意です。2005年のMSマイアミ決勝の対ナダル戦(ちょうど、ナダルが台頭しだした初期の頃です)のときに、フェデラーがラケットをコートに叩きつけたことがあったのですが、なかなか感慨深いものを感じますf(^^;)。
ちなみにここだけの話、来年のウィンブルドンはフェデラーが獲ると思っています。